ワイン・ソムリエ試験について
ソムリエと聞けば、「ワインをカップについでくれる給仕係」というイメージが先行しているきらいがあります。
おおよそソムリエを配置するほどの高級レストランは、そうめったに利用できるものではないし、だいたいが、どこへいけば、世界一の栄冠を勝ち取った、あの有名なソムリエに出会えるのかすら、わかりません。
ここでソムリエとはそもそもどういった職業なのかといった説明から入ります。
本部が東京都にあり専用ビルを保有する、協会の言葉を借りるならば、ワインをメーンにした食文化全般に通じているスペシャリストという事になります。
単純にワインが好きなだけでは認定されない独自の資格です。
全世界にあるワインに通じている事に加え、どの葡萄酒には、どのような趣向でどのような味付けで、どのように調理されたお料理との相性が良く、かつ葡萄酒のおいしさを最大限に引き出せるのかを熟知しており、来客してくださったユーザーに、言葉で説明ができること、お食事が終わり、店が出るまでの間、快適な時間を過ごせるように、最大限の心配りができる事を求められます。
お料理は和洋中すべてに通じている必要もあります。
なぜなら、マリアージュ(ワインとお料理との調和)は、無限に広がっているものであり、定義そのものがないと言って良いほど工夫しだいでは、何百通りものマリアージュを編み出す事が可能だからです。
じめじめした梅雨の時期に発生しやすい食中毒にも、最大限の注意を払う必要がありますので、食管理、安全性への理解と気配りも出来ていなければなりません。
調理こそはしませんが、調理人以上に食に通じている必要があります。
これらすべての点において、申し分ないと認められて、初めてソムリエとなれるのです。
ソムリエはお酒に通じる資格ですから、当然20歳以上でなければなりません。
シニアソムリエとその下のランクにソムリエがあります。
順番としては、最初にソムリエを取得し、ワインを含むお酒を扱う飲食店に3年以上在籍しており、そこで食とお酒にある程度精通するようになって、初めてソムリエ試験の受験資格を取得する事ができます。
ソムリエとして認定されてから5年経過し、さらにワインを含むお酒を扱う飲食店に10年以上在籍していれば、さらにシニアソムリエ試験の受験資格を得る事ができます。
お酒とお料理に10年も関わっていれば、相当な知識と理解を得る事ができるようになっているはずです。
ここで注意することは、ブランクがあってはならないということです。
ソムリエをめざすなら、生涯をワインに捧げるくらいの覚悟とワインやお料理への深い愛情が必要です。
だからこそ、世界に通じる資格ともなれるのです。
ソムリエは、協会資格認定ですので、協会に入会を認められなければなりません。
合格率30%と言われる難関中の難関ですが、一度資格取得をすれば、自分の店を持つ事も夢ではありません。