ワインの有名ブランドにはいくつかあります。
ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュ、ロワール、ローヌ、プロバンス、アルザスなど、このあたりまではよく耳にします。
実はこれらはみなフランスの地名です。

他にも、イタリア、スペイン、ドイツ、チリ、アルゼンチン、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、スロバニア、そして日本と、世界各国に名産地はあります。
それぞれにその国なりの風味と味わいがあり、個性に溢れていますが、やはり、わたしたちが知っている超一流のほとんどは、フランス、それも南フランス産に集中しています。
からっとしていて、日射時間が長く、気温差が激しい盆地のような気候というように、恵まれた環境と、厳しい品質管理の元で、何年もかけて熟成されたうちから、さらに厳しいプロの舌を満足させたものだけが、ブランド名を名乗り、世界へ飛び立つ事を赦されるのです。

年末になると大量入荷されるボージョレーヌーボーは、ボージョレー地方で産出された初穂ワインです。
日本でも、新種ができると、試飲を必ず最初にしますが、ボージョレーヌーボーがそれです。
ですから、本来のワインの濃厚な風味や味わいは未完成のものなのです。

実際、私たち日本人には不思議な感覚に思えるかもしれませんが、フランスでも、イタリアでも、スペインでも、名だたる銘柄を輩出している国では、最高級の味を守るための法律ができています。
厳しい条件をクリアできたものだけがブランド名を名乗ることができます。
おいしいワインを産出した畑は、造り主の名前をブランド名にできる名誉をいただき、ブランドとしての保護を受ける変わりに、法律で定められた条件を厳守しなければなりません。

もしも、法律違反をおかし、勝手にブランド名を名乗った場合は、厳しいペナルティーを受けることになります。
ここまで、定められた製法によって、徹底した品質管理を受けて育ったものだけを私たちは目にする事ができます。
日本にはここまで厳しい法律というものはありません。

しかし世界が認めた銘酒として、信州ワインや甲州ワインがあります。
白馬地方や塩尻産、山梨のワインがそれです。
ぜひ世界のワインと共に、日本のワインもじっくり味わってみてください。